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これまで消費者行動理論を中心に話が進んできたSales Promotionの授業だったが、先週から経済理論的な視点からの分析が加わり、カバーする内容もダイナミックになってきた。
で、先日授業で出てきたのは、次の論文。 "Price Promotions: Limiting Competitive Encroachment" (Rajiv Lal) ポイントは、 「寡占市場において、充分な数のSwitcher客(価格に敏感で常に安い商品を買おうとする客)が存在し、かつ割引率が低い場合、寡占企業同士が交互に価格プロモーションを行っている状況は、(ゲーム理論の非協力ゲームにおける)ナッシュ均衡に等しい」 というもの。さらに、この論文では、 ・寡占企業の間に、暗黙的な協調(お互いが相手の行動を予測して、自らの価格を調整する)が見られる場合は、両者が談合で直接価格操作を行っている場合と同レベルの利益を期待できる ・価格プロモーションは、短期的に売上を増やすための手段である一方で、寡占企業(2社)が、ブランド力の弱い他社から市場を侵食されることを阻止するために行う長期的な戦略にもなりうる という意味のことも書かれてあった。 プロモーションの内容次第によっては、反トラスト法に触れそうな微妙なケースもありそうだが、著者Lalの主張としては、 競争の激しい業界で、プロモーションのやりすぎは禁物、 よって、プロモーションは(競合企業の出方を見ながら)スマートに行うのが重要、 そこで、 寡占企業間で直接競合を避けるようなプロモーションを実施できれば、 利益低下をある程度防ぐことができ、かつ (寡占企業以外の)他社によるシェア侵食を阻止できる ということで、プロモーションの戦略的な意味合いを提示した点において、興味深い内容ではある。 さらに、実際にこれに似た例として、Neslin教授からは米国の大手飲料メーカーであるCokeとPepsiが過去行った価格プロモーションの話があり、これもなかなか面白かった。 配られた資料によると、Cokeがプロモーションで価格を下げているときはPepsiは価格を据え置き、Pepsiが価格を下げているときはCokeは値段を戻している。1回のプロモーション期間は1 - 2週間で、このサイクルが双方で40週間ほど続いたことを示している。 両商品のプロモーション期間が全く重なっていないので、この状況は談合の匂いがしないでもないが、先生の話では、(飲料メーカーではなく)小売がこのような状況を作り出すことは不可能ではないということだった。 というのも、小売のインセンティブが、とにかく大量に商品を裁いて、売上げを上げたい、ということであれば、商品毎にプロモーションの期間を指定して、ブランド間で競合が起きないように小売が調整を図ることは可能だからである。 価格プロモーションも、リアルな現場では、様々な力関係が働いていることは想像に難くないが、当論文は、そういった側面をモデル的に検証したり、またプロモーションの戦略的な示唆を導出する意味において、なかなか面白い。 参考文献: "Price Promotions: Limiting Competitive Encroachment" (Rajiv Lal)
by keipa55
| 2007-04-28 23:59
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