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Database Marketingの利用度合と利益率の関係
授業で先生がなかなか興味深いグラフを説明していたので、今日はその話でも。 ポイントをいうと、どの企業もDatabase marketingをやりすぎると、業界全体の利益が下がってしまう、ということである。企業がDatabase marketingを駆使することがアドバンテージであること自体は否定しないが、要はそのレベル感と、競合相手の動きが重要になってくる。 以下、その説明として、Neslin教授が愛情たっぷりに解説してくれたグラフ。 ![]() X軸がExtent of individual customer knowledgeで、顧客1人1人の情報を企業はどれだけ把握しているを指す。Y軸はIndustry profits。 グラフを抽象化すると、鈴のような形となる。グラフの左端(None)は、顧客1人1人の情報を企業は知らない状況を意味し、これは言ってみればMass Marketingの世界である。Mass Marketingでは、一般的に利益率は低いとされる。理由は、企業は顧客1人1人のデータを持ってなく、Database marketingを実践できないからである。 一方で、グラフの右端(All customers)はどうか。これは、全ての企業が顧客1人1人の属性を把握している状況である。自社の顧客だけでなく、競合他社の顧客も含めてである。この世界では、どの企業も、各々の顧客をピンポイントにターゲットすることができ、その顧客にリーチするメッセージもほぼ同じである。例えば、どの本屋さんも、僕にローマ帝国の歴史(仮定)に関する本をクロス・セルしたいとする。これは、このトピックに関する本を僕が過去購入した(例.「 ローマ人の物語」)ことを、全ての本屋さんが知っているはずだからである。すると、どういうことが起きるか。僕のところには、いろんな本屋さんから、ローマ帝国に関する本のプロモメールがどんどん届くようになり、僕はその中から、条件のいい本屋さんを選ぶことになる。そして、価格が安い先を選ぶ。いいかえると、全顧客を知っている状況(グラフの右端)では、企業は極端なPrice competitionに陥り、利益が下がってしまうのである。 では、グラフの真ん中(Our) はどうか。ここは、企業は自社の顧客について良く知っているが、競合他社の顧客 については知らない、そういった世界である。例えば、Amazon.comは、ネット好きでトレンドに敏感な花子さん(仮名)にリーチしてサービスを提供しようとする一方、Burns & Noble (アメリカ大手の書店。店内には椅子やソファー、コーヒーショップなどがあり、落ち着いて本選びができる※)は、じっくりと中身を見て本選びをしたい哲生さん(仮名)にリーチしてサービスする、といった具合である。従って、Amazon.comとBurns & Noblesは直接競合することがなく、よって、高いレンジでプライスも維持しやすく、儲けが期待できる、ということである。 ※Burns & Noblesは既にネットで本を販売するようになってきているので、対照的な例ではないかもしれない。 Neslin教授の話では、このグラフが意味することを、多くの企業(特に顧客リストを販売するような企業)はあまり認識していない、ということであった。「こういった企業がやろうとしているのは、業界をますますグラフの右側に向わせ、利益率を下げ、Ultra database marketing competitionに陥らせているだけだ!」 - これがNeslin教授の見方である。 先生の言わんとしていることは、自社の顧客を如何に囲い込むかということでもあるが、これは当然、LTV最大化の話に関連してくる訳で、そういう意味でもなかなか興味深いグラフであった。最も、LTVについては、LTVが高ければ企業は安泰かというとそうでもない、なぜなら高い LTV は顧客のbrand loyalty が高いという説明には必ずしもならないから、というおまけ話もあって、マーケティングの奥深さの分かる授業であった。
by keipa55
| 2007-03-23 23:59
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