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本日を持って、ダートマス留学記を終わります。これまでブログを読んで頂いた皆様、どうもありがとうございました。
これで最後ですので、留学を振り返って、簡単に総括します。 MBA留学は、経営の様々なファンクションを体系的に学び、幅広い分析力を習得できた点で非常にプラスになったのはもちろんのこと、将来のキャリアについて深く考える機会が増えた意味でとてもよかったと思います。同時に、この留学は、自分の感受性、価値観、他人との関係の持ち方、思考プロセスなどについて常に観察し続けた2年間でもありました。このブログの位置づけも、その観察を自分なりに多面的に捉えたつもりです。 がかといって、2年間を通じて、自分に本当の意味で付加価値が付いたかはどうかは、実際に仕事で学んだことを生かしていかないと、まだ何とも言えないと思います。というのも、ビジネススクールは所詮学校であり、顧客に責任を負うビジネスの現場ではないからです。また、米国の合理的経営思考をそのまま日本の企業社会に導入して、簡単に問題解決するはずもありません。そこには様々な知恵と工夫が必要でしょう。ただ、MBA留学で実践に近いトレーニングを受けたことで、思考の幅が広がり、多様な考え方を引き出すことが今まで以上に出来るようになり、フレキシビリティは増したような気がします。言うなれば、今後のキャリアでこれまで以上のパフォーマンスを発揮するための充電期間、それがビジネススクールで過した2年間だったと思います。 もうひとつ留学して良かったことは、ハードスキル中心でときに語られがちなビジネススクールにおいて、経営における人間の感情的な側面を興味深く学べたことです。経営者としての倫理観をはじめ、バイアスの罠に陥らないための意思決定のあり方や、人が社会・組織・個人に影響力を行使する際の是非等を深く知っていくにつれ、堅実なビジネスは正しい倫理観を排除するものではない、ということを強く認識させられたものでした。こういったことは自己の職務の範囲が限定されがちな日常の世界では、なかなか気づかないものかもしれません。その点、ビジネススクールは、むしろ自分が経営者(もしくは顧客、株主)になったつもりで物事を考えていく場ですので、仮想的にいろんなことを体験できるところのような気がします。 このように仮想的に体験するマネジメントの世界を、留学前に体験した現場の世界と比較していくことで、多面的な視点が養われていった気がします。特に僕は元々エンジニアでしたので、経営の様々なファンクションを知り、分析のフレームワークを覚え、競争優位の連鎖を作り上げていくプロセスを学んでいくことで、次第にアウトプットの質も変わってきたように思います。これをスキル的な面での変化と捉えることもできますが、むしろ心の内面の変化とでも呼んでもいいかもしれません。これまでの人生経験と直感を大切にしつつも、ちょっと違った角度から物事を考え直してみる。何か見えた、と思うことがあれば、勇気ある一歩を踏み出して、行動にあらわしていく。突破口はそんなところから生まれてくるのではないでしょうか。 長くなりましたが、今留学生活を終えて、ひとまず言えることはこういったことです。 最後に、留学をきっかけに出会った皆様、ブログを通じてお付き合い頂いた皆様、これからはお互いが別々の人生を歩んでいくことでしょうが、いずれ僕らの人生がどこかで重なる日が来るといいですね。 最も、太った体のままではお会いするのも恥ずかしいので、その前に、先日、前職の後輩から勧められた日本でも噂のBilly’s BootCampで体を絞っておこうか検討中です。つべこべ言わず、早くDVDを買って入隊?ですかね。 再見! 出発前のサンノゼにて、 Kei 拝 #
by keipa55
| 2007-06-25 23:59
| アメリカ生活
ついにこの日が来てしまった。2年間の留学生活もあっという間に過ぎ去り、今日がお別れの時。
最終日の今日は、MBAプログラムオフィスに出かけて、お世話になったサリーにお礼の挨拶をした。それから、1年生の頃、スタディグループで利用したWHITTEMORE HALLにも立ち寄った。夜遅くまでスタディグループの仲間達と課題に取り掛かり、議論を交わした場所だった。 夕方、自宅に戻り、残りの荷造りと夕食を済ませた後、子供達をいつもより早く寝かせることにした。翌朝、ボストンから飛び立つため、出発が深夜となったからである。 深夜2時。いよいよ出発の時間。 車にスーツケースを詰め込み、寝ている子供達をだっこして後ろに乗せ、最後に自宅の玄関の鍵を閉めた。もうこの家で家族と暮らすことはない。朝、Sachemの森から吹いてくる新鮮な空気を肌で感じることも、午後、Sachemの草原の輝きに見入ることも、そして、夜、勉強の合間に外に出て満天の星空を眺めることも、今日限りで全て終わりである。鍵を閉めるとき、2年間の思い出をこれで封印してしまう感じがして、辛い思いがした。 自宅を出発し、寝静まったSACHEMの集落を静かにドライブしながら、お別れをした。 夜道、ボストンへと向った。 これからまた、新しい生活が始まろうとしている。 ハノーバーを去らねばならない寂しい気持ちもある中で、徐々に将来へのワクワク感も増しつつある。ひとつは仕事、もうひとつは子供達の成長。 明日から1週間弱、最後のアメリカ生活を西海岸で家族と過ごす。まずはゆっくり疲れを取って、エネルギーを満タンにして、また新しい一歩を踏み出そう。 ![]() ![]() #
by keipa55
| 2007-06-17 23:59
| アメリカ生活
娘達もついにさよならをいう日が来てしまった。長女は、Kinder garden、次女はPreschoolのお友達と。僕と妻からは先生にお礼の挨拶をした。
次女は、学校の先生からハーモニカとクラスメートとの写真と先生からのメッセージがたくさん入ったアルバムをプレゼントに貰った。普段は絵本の読み聞かせをしながら寝るのだけれども、今日はアルバムを読んで欲しいというので、次女の学校生活の様子をアドリブで読み上げることにした。ページをめくるたび、次女がハーモニカを鳴らしてくれた。 長女は、アメリカに来る前の東京での生活も、アメリカの生活もどちらも楽しかったといってくれた。東京の生活が良かったといわれれば僕はショックだが、かといって、日本への帰国が迫っている中、アメリカ生活のほうが楽しかったといわれても、これまた困ったものである。 何はともあれ、この自然豊かなニューハンプシャーの片田舎で、彼女達が健やかに育ってくれたことを嬉しく思う。この街は遊ぶところが身近にあり、その恵まれた自然は、貴重な教育資源でもあった。冬は、スキーもしたし、Occum Pondでアイススケートもやった。春になれば、自宅前のSachemのグラウンドで、凧を作って凧揚げをしたり、身近に咲く野花を摘んでは、本で名前を調べて絵を書いたりもした。長女は毎日のように絵を書き、次女は毎日のように学校で習った歌を歌ってくれた。 幼い彼女達がこの2年間のアメリカ生活を今後どれだけ覚えてくれるか分からないが、いずれこの日記を読める年頃になったら、少しは当時の出来事を思い出してくれるかもしれない。でも、思い出というと、全てが整理されてしまって、どことなく寂しい感じがするので、思い出したことの中で大切だと感じたことを、自分なりに表現し、行動できる子になっていってもらいたい。そうすれば、思い出も現在進行形で増え続けていくことだろう。 子供達もめでたく卒業。 ![]() #
by keipa55
| 2007-06-16 23:59
| 育児、子育て
隣街のQuecheeでBalloon Festivalがあったので、家族と一緒に見学。
さわやかな青空の下、色とりどりのたくさんの気球が空に舞い、会場からは大きな歓声が上がりました。観客の子供も大人も、気球に夢を託すかのように見守ってました。 最も、気球が飛び立っていく様子は、留学生活をまもなく終える僕にとって、お別れを告げるようでもあり、とても寂しいものがありましたが。。目の前をふわふわと上がっていくひとつひとつの気球は、2年間の留学生活での数え切れない笑顔、苦労、そして、クラスメートや家族、子供達との楽しかった思い出を映し出しているようでした。 さて、20個ほど上がった気球の中で、ひときわ注目を浴びたのが、50過ぎのおじさんが乗っていた、1人乗りの気球。彼にとっては、胸がワクワクする、一大アドベンチャーなのでしょう。 そのおじさんが陽気な笑顔を周囲に振りまいて飛び立っていったように、自分もオプティミスティックなビジョンを持って、新しい仕事をスタートさせていきたいものです。 ![]() ![]() #
by keipa55
| 2007-06-15 23:59
| アメリカ生活
MBA受験時代からの友人でKelloggスクールをまもなく卒業するI君が、ハノーバーを訪問してくれることになったので、キャンパスと学校周辺を案内しながら、久々の再会を楽しんだ。
彼と初めて会ったのは、4年前の受験時代の冬、場所は渋谷にある予備校近くのドトールコーヒーの地下1階。たまたま隣の席で、GMAT Official Guidebookを勉強していた彼に話しかけたら、出身大学も学部も学科も同じで(彼は学年が2つ下)、しかも共通の友人がいることを知って、一気に意気投合した。 僕は一足先にTUCKから合格を貰ったものの、まだ子供が小さかったので、入学を1年延期したが、その翌年、彼はKelloggの合格が決まり、お互い揃って留学することになった。 留学中はお互い忙しく、連絡はメール程度で、直接会う機会はなかったが、今日久々に再会し、2年間会えなかった空白期間を埋めるかの如く、お互いの留学体験を語り合った。 卒業後、僕は日本に戻るが、彼はニューヨークにあるバイアウト・ファンドに就職することが決まった。留学中、僕はアメリカでの就職を9割方決めていて、彼は日本に戻ることで話が進んでいたから、最後の最後で全く逆の結果になったわけである。 ドトールで席が一緒じゃなかったら、彼と会えなかったのはもちろんのこと、僕のMBA留学も実現しなかったかもしれない。彼と会ったのはまさに偶然といっても良かった。 が、ドトールでの出会いは偶然ではなく、実は必然ではなかったか、と今思うのである。GMATで苦戦していたあの冬、同じ悩みを持つ受験仲間との出会いを切望する気持ちが僕らのなかにあったからこそ、あの出会いがあったのではないかと。 次回会えるのがいつになるか分からないが、今度再会したら、その日までの空白期間を埋めるかの如く、今日のようにまたいろいろと語り合うことだろう。 出会いとは偶然じゃなく必然と思って、いつも大事にしていきたいものです。 #
by keipa55
| 2007-06-12 23:59
| アメリカ生活
卒業式で聞いた、ヘンリー・ポールソン財務長官のスピーチがなかなか良かったので、ちょこっとだけ書いておきます。
氏はダートマス大学を卒業後、アメリカ国防総省に入省。1970年にMBA取得。その後、ゴールドマン・サックスに勤務し、1999年からCEOを務め、2006年、ブッシュ大統領の任命で財務長官に就任。プライベートでは、熱心な自然愛好家。 メッセージとしては、 「あなたたちは今、新たな責任、課題、そして可能性を見出そうとしている。今は激動の時代。ただ、世界がどう変わろうとも、あなた達のキャリアと人生に不変の価値をもたらすのは、次に掲げる基本原則を守り、実践していくことだ。そして、この原則を実践し、より良い社会の創造に貢献する、卓越したリーダーになってもらいたい」 というものでした。以下、その骨子。 <仕事とキャリアについて> - There is no perfect job, but there is a right one for you. If you spend too long trying to conjure up the perfect one you may not find the right one. So, get started. And, remember even learning what you don't like can be an important step towards finding what you do. - The most important thing you can do in your first job is to learn and to grow. You can afford almost anything other than not to learn. - Work with people you enjoy spending time with. Almost as important as what you do is whom you do it with. - Avoid a short term mindset. There will always be the temptation to compare yourself to others and ask, "Am I moving up fast enough?" Anything worthwhile in life must be achieved by striving for it over time. - Aim to have a global mindset. The world is becoming a smaller and smaller place; what happens somewhere else in the world affects us all. Some of you will find jobs that require you to think and act globally. If not, make sure you have the intellectual curiosity to do so. - Value your integrity. You are good people, but good people sometimes do bad things. It is necessary but not sufficient to ask yourselves, "Is this within the rules?" or "Is it legal?" Always ask, "Is this right?" And if something does not feel right—even if it seems that everyone else is doing it—pause and ask plenty of questions. If you are still not comfortable, chart a different course. Keep your moral compass pointing true North. - Maintain a positive attitude. Those who are grateful and constructive, even in the face of adversity, are apt to be much more successful than those who aren't. - Success in any career, whether it is business, law, academia, whatever you choose, will require you to work hard. Yet, your key to happiness and ultimate success is going to be your ability to balance your personal life and your job. <社会貢献について> - Do not serve only as an obligation. Avoid "check the box" volunteer work. Get involved in an area where you care deeply, and with people you want to be with. - You will then be rewarded twice—first, in the good you do and second, in personal satisfaction and enrichment. - Serve where you are really needed, seeking out tasks you will do well because they play to your strengths. Your time is precious. Make sure you spend it where you can contribute something no one else can. - When you measure your contribution, measure it on a long term basis by the good you do. - Go make a difference! And have a lot of fun along the way! 以上ですが、心に残ったのは、仕事とキャリアの中で出てきた以下のメッセージ。特に2文目。 Success in any career, whether it is business, law, academia, whatever you choose, will require you to work hard. Yet, your key to happiness and ultimate success is going to be your ability to balance your personal life and your job. ビジネスでチャレンジングなことのひとつは、顧客、株主、従業員などが投げかける対立する要求を調整していくことにあると僕は考えますが、プライベートな時間の確保にしても、本人にその調整能力があるかないかに関わってくるものだと思います。ポールソン氏はプライベートでは自然保護活動に力を注いでいることからも、とても励みになるメッセージでした。 最後に余談ですが、卒業式では、元大リーグのスター、ウィリー・メイズへの名誉人道文学博士号贈呈式もありました。会場からは、"We love you Willie!" や "Say Hey!(彼のニックネーム)" などの歓声が聞こえてきました。 #
by keipa55
| 2007-06-11 23:59
| アメリカ生活
無事、卒業することが出来ました。
Tuckのクラスメート、僕の家族、日本にいる両親、そして留学中、応援のメッセージを頂いた日本や海外の友人、仕事でお世話になった方々に心から感謝の気持ちで一杯です。 これまでを振り返ると実にいろんなことがありましたが、卒業式のスピーチでクラスメートのDavid Browneが語っていたように、この2年間は” It was miserable, but it was all fun.” という言葉に凝縮されるかと思います。MBA生活は過酷なもので、自分の限界を感じて凹む日もありました。 では、Miserableだった日々をFunなものへと変えていったものは何だったのか。それはクラスの仲間達が持っているGenerosity of spiritであったとDavidはスピーチの中で語っていました。コミュニティ精神に溢れたこの小さなスクールで周りの仲間から与えられたGenerosity of spiritは、リーダーシップや誠実さ、多様性、信頼という言葉と同様、今後再びビジネスの世界に身をおき、そしてより良い社会のために貢献していきたい自分にとって、大事にしていかなければならないものの1つだと感じています。大切なのは、お互いの違いを認め合い、共通の理解を双方で形成していくこと。そこから信頼というものが生まれ、人間関係もビジネスも持続していくのではないかと思います。 長かった2年間のMBA生活もあともう少しで終わりです。が、これは新しい人生の始まりでもあります。 卒業後の進路ですが、経営コンサルティングファームで働くことになりました。Tuckで学んだことを生かしながら、多くの方々と共に悩み、考え、力を合わせ、様々な企業変革の支援に取り組んでいきたいと思います。 プライベートではまず、15kg近く太ってしまった体を2年前のスリムな状態に戻すこと。そのために久々にジム通いとスイミング、バスケットをやります。そして、心身ともにリフレッシュした状態で、新しいスタートを切ることです。 とりあえず卒業できて、ほっとしてます。皆さんに感謝・多謝です。 ![]() #
by keipa55
| 2007-06-10 23:59
| アメリカ生活
Tuckでは、卒業式を迎えるまでの1,2週間をDisorientationといって、Class of 2007の仲間達とリゾート地(NanTUCKet Island)やクルーズ旅行(Burlington Cruise Ship)に出かけて、最後のMBA生活をクラスメートと過ごすイベントがある。
いわゆる卒業旅行って感じで、僕も家族で参加したかったんだが、子供の学校があったので、今は自宅でのんびり休暇中。 で、今日はDisorientationの続きで、旅行から戻ってきた仲間達と学校近くのStorr's Pondで運動会をやった。この運動会、1年生秋学期のセクション別対抗ということもあって、懐かしいセクション4の面々とおそろいのTuck Tシャツを着て参加。 人間ピラミッドを作ったり、池でボート漕ぎをしたり、綱引きや腕相撲をしたりと、とにかく体が疲れました。綱引きでは、NFLの元アメフト選手がいるセクション2と戦ったのですが、この試合は他セクションからの強引なヘルプ?もあって、何とか勝利。 人間ピラミッドでは、僕は土台係で地面で踏ん張ってたから、もう顔が紅潮しまくり。リレーでは、うちの長女は卵をスプーンに乗せて走り、セクション4の準優勝に貢献してくれました。 和気藹々とみんなで楽しく終わった運動会。 もうここまでくると、2年間共に過ごしてきたClass of 2007の仲間達って、ひとつの大きな家族だって感じがしてきます。 いよいよ今週末が卒業式。。。 ![]() #
by keipa55
| 2007-06-05 23:59
| アメリカ生活
Webサーフィンをしていたら、こんなサイトを見つけた。
FamilyWatchdog ![]() 住所を入力すると、Google Mapが起動して、性犯罪者が近所に住んでいるかどうかが確認できる。犯罪者の住所、犯歴だけでなく、なんと顔写真まで公開されている。さらに、性犯罪者が一定の範囲内に近づくと、携帯に通知するサービスまで提供しているようだ。 アメリカでは、ミーガン法が制定されたことで、性犯罪者の情報公開が当サイトのような 形で進んでおり、周囲への注意喚起を促す意味では良いかとは思う。が、このサイトが誕生するきっかけとなったミーガン法に、果たして再犯の抑止効果があるかどうかは賛否両論のようだ。 というのも、情報公開されると、前歴者は付近住民から疎外され、職を奪われ、生活が不安定になり、かえって再犯率が高まる恐れがある、というのがミーガン法反対論者の意見としてあるからだ。 日本ではミーガン法導入をめぐって議論が始まったばかりだが、日本ではどうなるのでしょうか。安易に情報公開の話だけが先に進んでしまわないよう、更正プログラムのあり方も充分議論してもらいたい。これは広く言えば、性犯罪が起こらない社会を作るにはどうすればいいかといった問題でもあり、例えば、性犯罪を誘発させかねないわいせつ雑誌・ビデオなどの規制強化の話も関係してくるだろう。表現の自由も大切だが、今の日本はむしろ人権侵害にあたるような性の商品化が広がりすぎているように感じる。 最後に、このサイトを見ながら、性犯罪という問題について、親が子供にどう接していくかは重要なことだと思った。FamilyWatchDogのようなサイトは、Self-Awarenessを高めてくれるかもしれないが、もし子供達が、社会は犯罪で溢れていると信じ込み、人間不信に陥り、それによって常に否定的な生き方をするようになってしまったら、悲しいものである。 #
by keipa55
| 2007-06-04 23:59
| アメリカ生活
![]() 先日夕方、自宅前のSachemの芝生を散歩していると、気球がゆっくりと上空を飛んでいるのを見かけた。気球はそのままゆっくりと降りてきて、Sachem のグラウンドに着陸。 早速、子供達を連れて、着陸地点まで猛ダッシュ。 パイロットに話を聞いたところ、気球は、隣のVermont州Quecheeにあるツアー会社のもので、数名の乗客を乗せて飛んできたそうだ。Sachemに不時着したわけではなく、最初からここを目指してやってきたらしい。 ひとつ面白かったのは、着陸後、気球をたたんで軽トラックに積み込むのを手伝っていた際、その車のナンバープレートが”BALLOON”だったこと。何ともシンプルで、軽やかで、かわいらしいネーミングである。 このツアー、1回$200以上するようだが、Webサイトを見ると、気球に乗って峡谷を降りたり、滝の近くまで近づいたりと、スリル満点の旅が味わえそうだ。今度、試しに乗ってみるかな? お勧めリンク: Balloons of Vermont Quechee Balloon Festival #
by keipa55
| 2007-06-03 23:59
| アメリカ生活
![]() Tuckでの授業もついに最後を迎えた。 その日は朝からとても気持ちのよい天気だったので、Neslin教授の提案で、屋外で授業をやることになった。まさに青空教室といった感じで、先生からは、コーヒーとクッキーの差し入れがあった。 その日は、何人かの生徒からプレゼン発表があり、僕もその一人だった。そして、最後のプレゼンターは僕が勤めることになった。 テーマは「"An empirical analysis of the determinants of retail margins: The Role of Store-Brand Share" by Kusum Ailawadi & Bari Harlam」。 これは、小売が販売するナショナルブランドとストアブランドのマージン(% Margin, $ margin, Total $ profit)が、どのような要因(市場の競争度、サプライヤーとの力関係、宣伝広告の浸透度、ストアブランドのシェア、 購入者の消費行動など)で決まるかをモデル化、検証したもので、実証分析の結果、高いシェアのストアブランドを販売する小売は、ナショナルブランドの小売マージン(% margin)を高く維持しやすいことを発見したものだった。プレゼン後は、ストアブランドとナショナルブランドのバランスを維持するにはどうすればよいかという議題で、皆でディスカッションをした。 最後はNeslin教授からこれまでの授業の総括があった。いつもながら、ポイントが丁寧に要約された資料が配られた。セールスプロモーションに関する先生の長年の研究成果が凝縮された資料といってもよい。中でも、授業でも何度か登場した、統計モデルを駆使したプロモーションの費用対効果分析は、とても面白い分野である。 前学期のDatabase Marketingの授業も含めて、Neslin先生からは多くのことを学んだ。しばしば発するジョークもそのうちだが、愛情たっぷりに教えてくれるNeslin教授が僕は大好きである。 もう先生の授業が受けられないのは寂しい限りだが、刺激に満ちた授業の様子を将来何とか再現できないものかと学期開始時に考えた末、僕はあることを思いつき、実践することにした。それは何かというと、春学期の授業全てをICレコーダーにこっそり録音しておいたのである。 まあ、授業で学んだことを将来、社会の場で実践する機会は、今後充分あるだろうし、先生から学んだことを今後、いろんな人に教えたり、共に考えていきたい気持ちもある。それから将来、うちの娘達がどんな人生を歩むかは、彼女達次第であるが、20数年後、もし仮にビジネススクールに少しでも興味を示してくれたら、当時の授業シーンを再生しながら、「MBAの授業って、こんな感じだったよ」と少しは臨場感を持って、説明できるかもしれない。 日本人である僕が、英語のシンプルな表現で礼を済ますのはなかなかしっくりこないのだが、先生には感謝の気持ちをストレートに伝えて、お礼を言った。 外はさわやかな風が吹き、とても気持ちのよい午後であった。 == 以下、Neslin教授から学んだ、Sales Promotionに関するエッセンスをまとめておきます。 PROMOTE SMART •Ask how your promotions are training your customers and your competitors. •Maintain, monitor, and manage your brand’s reference price – contextually and temporally. •Include a product message with your promotions. •Recognize that promotions can deliver six forms of “transaction utility” to consumers: monetary discount, product upgrade, convenience, exploration, entertainment, and self expression. Make sure your promotions deliver an appropriate combination of these benefits, depending on the nature of your product and the preferences of your customers. •Aim for functional congruence – use utilitarian promotions for utilitarian products; hedonic promotions for hedonic products. •Don’t over-emphasize transaction utility. •Understand how the economic forces that drive promotion apply to your brand. E.g., is there a customer downstream to whom I can transfer inventory? Given my accuracy in forecasting sales, will I end up with extra inventory at the end of the season? What is the level of loyalty for my brand and its competitors? Can I use promotions to price discriminate? •Determine what stage your market is in: Stage 1 (the good old days), Stage 2 (RajuLand), or Stage 3 (commodityville). Stage 2 is where promotions will/should play a prominent role. •Manage Stage 2 categories by promoting smart, and avoid allowing promotions to accelerate the category toward Stage 3. •Know the clout and vulnerability of your brand and its competitors. •Understand the deal-prone segment for your industry: Many, but not all, consumers respond to promotions. Understand the demographics, motives, and psychographics of your deal-prone segment. For example, your deal prone segment may be dominated by “high NFC’s,” consumers who are highly aware of prices and will “calculate” whether the promotion is a good deal. Or it might be dominated by “low NFC’s,” who are more interested in the convenience benefit of promotion. •Know how promotion works for your brand – switching, acceleration, consumption, repeat purchasing. What is the decomposition of your sales promotion bump? •Think of how to use promotion to grow the category for the retailer. •Think of how to use promotion to increase consumption. •Devise trade deals that benefit the retailer – emphasize category profit, complementarity, store switching. •Understand the retailer’s profit margins and plan your trade deals accordingly. Do not expect perfect pass through if you’re a low margin brand for the retailer. •Measure incremental sales generated by your promotions and ask tough questions of the people who are providing the crucial inputs (predictive accuracy, how handle stockpiling, seasonality, competition, new products and store switching). •Focus on net incremental sales. Don’t be deluded by strong short-term increases in sales that are driven by consumer stockpiling or retailer forward buying. •Be careful not to over-redo a successful promotion: If a promotion works, don’t rush to repeat it. Repetitive promotions can lose their transaction utility, competitors can copy them, and consumers can anticipate them. •Don’t address poor promotion performance by increasing promotion. Pass through may be low because your brand is promoted too frequently. Promotions may generate fewer incremental sales because they have lowered consumers’ reference price or lost their transaction utility. Your loyalty program may not be working because either the customer doesn’t care about future benefits, or competitive response is diluting the effectiveness of your program. •Calculate promotion profitability. Use these calculations to choose the most efficient promotions and use as a benchmark against evaluating the factors that are not included in the calculation. E.g., if you are worried about the effect that promotions have on brand loyalty and your current promotions are not profitable in the short term, you should probably decrease promotion. However, if the short term calculations are positive, then it may be worth the lower level of brand loyalty. •Combine numbers and creativity: Measure incremental sales and profits, but think out-of-the-box in designing new promotions (e.g., photograph contest to increase film sales; loyalty programs to cross-sell the rest of your product line, etc.). •Embrace innovation (“accrual” methods of trade dealing budgeting, pay-for-performance rather than off-invoice, loyalty programs?, rebates?, online promotions?). •Always keep in mind that: Promotion moves product. Promotion is more than a price cut. Promotion is a targeting device. Source: Neslin教授の配布資料(抜粋) #
by keipa55
| 2007-05-27 23:59
| MBAの授業
![]() まだ卒業式は3週間近くも先のことだが、先日、Class of 2007全員で卒業写真の撮影があった。 会場となったのは、学校のシンボルでもあるTuck Hallの階段広場。 天気に恵まれ、絶好の撮影日和の中、皆、スーツ姿で登場。 記念撮影が終わると、どこからか歓声と拍手が聞こえてきた。 何かと思って回りを見渡すと、会場の脇からTuckの1年生達が拍手をしながらこちらに向ってくる。先頭の生徒が手にしているのは、Congratulationsの横断幕。 拍手が渦となり、ワーっと大きく盛り上がったところで、1年生からシャンペンが配られ、皆でグラスで乾杯。 それからはずっと、お祭りムード一色。 生徒同士で記念撮影も始まってしまった。 1度しかないはずの卒業式を、こうしてフライング気味に味わったわけだが、まだ暫く学校に通って仲間達と授業が受けられる喜びは、映画のエンディングが近づきそうになって、「まだ終わらないで!」と思った瞬間に、実はまだ話が続いていることが分かったときの安堵感に近い。 一風変わった、模擬卒業式だった。 本当の卒業式は、次回に持ち越し。 #
by keipa55
| 2007-05-21 23:59
| アメリカ生活
早いもので、長女も6歳となった。
妻と一緒に、娘の幼稚園の授業の合間に開いてもらった誕生パーティに参加。 アメリカでは、誕生日の子供の親がクラス全員分のお菓子を用意するのが習慣のようで、 幼稚園にはお祝いのカップケーキを持っていくことにした。 教室で、カップケーキを全員に配っていく。ケーキを手にしたときの、園児達の純粋な瞳の輝きは本当に可愛らしい。 教室では、クラスの友達が作ってくれた紙の冠を娘がかぶり、皆で車座になって、ゲームをしたり、歌を歌った。 午後、自宅に戻り、Sachemの広い原っぱに飛び出して、一緒に凧上げを楽しんだ。 上昇気流に乗って、ぐいぐいと舞い上がっていく凧。 しばらくすると、強風で、糸が切れてしまった。 ゆらゆらと降りてくる凧を追いかけながら、草原を2人でかけっこした。 娘も6歳になった。 #
by keipa55
| 2007-05-20 23:59
| 育児、子育て
前回の日記でコーラのプロモーション話をしたので、その関連ネタを少々。
コカコーラはそのレシピを企業秘密として一切公開してないが、世の中には、作り方が簡単に手に入り、しかも改変が自由な、オープンソースなコーラがあるようです。 このオープンソース・コーラ、元々はカナダのソフト会社がオープンソースのプロモーションをするために試作したのが始まりらしく、これが思わぬ反響を呼んで、15万缶ほど売れてしまったとのこと。 ライセンスがGNU GPL形式なので、レシピはもちろんダウンロード可能。今のバージョンは1.1.3だとか。 レシピはこちら。 今週末は、子供達とコーラでも作って遊んでみるかな。で、コーラが完成したら、メントスを買ってきて、是非これをうちの庭でトライしてみたい。 皆さんなら、どんなコーラを作りますか。 #
by keipa55
| 2007-04-30 23:59
| MBAの授業
これまで消費者行動理論を中心に話が進んできたSales Promotionの授業だったが、先週から経済理論的な視点からの分析が加わり、カバーする内容もダイナミックになってきた。
で、先日授業で出てきたのは、次の論文。 "Price Promotions: Limiting Competitive Encroachment" (Rajiv Lal) ポイントは、 「寡占市場において、充分な数のSwitcher客(価格に敏感で常に安い商品を買おうとする客)が存在し、かつ割引率が低い場合、寡占企業同士が交互に価格プロモーションを行っている状況は、(ゲーム理論の非協力ゲームにおける)ナッシュ均衡に等しい」 というもの。さらに、この論文では、 ・寡占企業の間に、暗黙的な協調(お互いが相手の行動を予測して、自らの価格を調整する)が見られる場合は、両者が談合で直接価格操作を行っている場合と同レベルの利益を期待できる ・価格プロモーションは、短期的に売上を増やすための手段である一方で、寡占企業(2社)が、ブランド力の弱い他社から市場を侵食されることを阻止するために行う長期的な戦略にもなりうる という意味のことも書かれてあった。 プロモーションの内容次第によっては、反トラスト法に触れそうな微妙なケースもありそうだが、著者Lalの主張としては、 競争の激しい業界で、プロモーションのやりすぎは禁物、 よって、プロモーションは(競合企業の出方を見ながら)スマートに行うのが重要、 そこで、 寡占企業間で直接競合を避けるようなプロモーションを実施できれば、 利益低下をある程度防ぐことができ、かつ (寡占企業以外の)他社によるシェア侵食を阻止できる ということで、プロモーションの戦略的な意味合いを提示した点において、興味深い内容ではある。 さらに、実際にこれに似た例として、Neslin教授からは米国の大手飲料メーカーであるCokeとPepsiが過去行った価格プロモーションの話があり、これもなかなか面白かった。 配られた資料によると、Cokeがプロモーションで価格を下げているときはPepsiは価格を据え置き、Pepsiが価格を下げているときはCokeは値段を戻している。1回のプロモーション期間は1 - 2週間で、このサイクルが双方で40週間ほど続いたことを示している。 両商品のプロモーション期間が全く重なっていないので、この状況は談合の匂いがしないでもないが、先生の話では、(飲料メーカーではなく)小売がこのような状況を作り出すことは不可能ではないということだった。 というのも、小売のインセンティブが、とにかく大量に商品を裁いて、売上げを上げたい、ということであれば、商品毎にプロモーションの期間を指定して、ブランド間で競合が起きないように小売が調整を図ることは可能だからである。 価格プロモーションも、リアルな現場では、様々な力関係が働いていることは想像に難くないが、当論文は、そういった側面をモデル的に検証したり、またプロモーションの戦略的な示唆を導出する意味において、なかなか面白い。 参考文献: "Price Promotions: Limiting Competitive Encroachment" (Rajiv Lal) #
by keipa55
| 2007-04-28 23:59
| MBAの授業
![]() 先週、TUCKのクラス仲間とバーモント州のKillingtonスキー場へ出かけたときの写真です。 今年は異常気象のせいか、4月になってもたくさん雪が降り、ゲレンデには樹氷が残ってました。 今シーズン最後といってもいいラストランを飾るべく、 久々にスノボーに切り替えて、コブ斜コースをひたすらかっ飛ばしました。 歳は取っても、せめて体年齢だけは20代を維持しておきたいものです。 さすがにもう無理かな? じゃ、気持ち年齢だけでも。 お勧めリンク Killington Ski Resort スライドショー #
by keipa55
| 2007-04-25 23:59
| アメリカ生活
これまでの授業でいろいろと面白い話が出てきたので、その要点整理です。
1. Acquisition / Transaction Utility 消費者が購買行動から得る効用は、同じ価格の商品でも、商品を購入する状況や場によって異なる、というのが主な考えで、これを式で表すと 総効用 = 獲得効用 + 取引効用 = 費用/ 便益 + バーゲンの価値 ( 参照価格 vs. 支払価格) ということになる。 また、この式から、プロモーションの存在意義を考えると、「Deal proneな(価格に敏感でバーゲン好きな)顧客に取引効用を提供すること」ということがいえる。そこで、プロモーションで取引効用を高めるには、以下のようなやり方(例)で、参照価格を高いレンジで維持していく必要がある。 ・メーカー希望小売価格と割引価格を併示する ・商品のラインナップに、Top Tierブランドを入れる ・クーポンやリベートを利用する ・POP広告を利用する ・コストがかかっていると思わせるようなプロモーションを行う ・商品のサイズを変える ・商品の改良を行う ・大幅なディスカウントをやらない ・頻繁なディスカウントをやらない ・プライベートレーベルの近くに商品を陳列しない 注意点としては、上にも書いたとおり、プロモーションを継続的に行っていると、消費者はいずれ購入価格を参照価格として捉えてしまい、結果として取引効用が下がってしまうといった弊害が出てくる。よって、「プロモーションはスマートに行うことが非常に重要」(Neslin教授)とされる。 また、これに関連して、授業では、ディスカウントストアが行っている低価格戦略(EDLP: Everyday Low Price)は、取引効用ではなく、獲得効用を狙った戦略だという話もあった。EDLPは商品のバリューを強調し、かつ価格に一貫性を持たせているからというのが主な理由。また、EDLP戦略を取る企業は、基本的にDeal Proneな顧客層をターゲットとしないことから、プロモーション費用を削減できるメリットがある。 2. Mental Accounting ・複数の利得は分離させる プロモーションは1回にまとめて行うより、何回かに分けて行う方がいい =>但し、プロモーションを何回かに分けて行うと、商品に込めたメッセージが顧客にうまく伝わらない可能性もあるので、注意が必要 ・小さい利得は大きい損失と分離させる クーポンは、大きな出費で消費者が感じる損失の感覚を和らげる効果がある Mental Accountingは前学期のManagerial Decision Makingの授業でも出てきた内容で、詳しい話は過去の日記にまとめたので、こちらをどうぞ。 参考文献:Mental Accounting and Consumer Choice (Richard Thaler) 3. Behavioral Learning Theory 「強化された行動は、持続しやすい」というのが基本的な概念で、具体的には次のようなものがある。 ・Shaping 段階的な対応によって、消費者の反応を引き出し、これによって消費者の行動を強化させていく。また、消費者の行動を強化させることで、顧客loyaltyを向上させていく。 例えば、新商品で、消費者が購入リスクを感じるような場合は、試供品やクーポンを与えることで、そのリスクを緩和させていく。その後、リピート客が出てきたら、徐々にプロモーションの量を減らしていき、最終的には強化の手段を商品の質に絞って、loyaltyを高めていく。(以下 図) Trial ----> Repeat -------> Loyalty 試供品 クーポン クーポン 商品のクオリティ 商品のクオリティ 商品のクオリティ 注意点としては、Shapingを利用しすぎないこと。利用しすぎると、消費者は、購買の理由を商品そのものではなく、プロモーションという誘因に帰属させてしまうという危険がある。 ・Extinction 強化という行為が止まると、消費者の行動も次第に弱まっていく。 ・Primary reinforcer vs. secondary reinforcer 消費者行動を強化させるには、商品の利用をPrimary reinforcerとし、プロモーションをsecondaryとする。Primaryが目的であり、secondaryはその手段である。これを間違えると、消費者はプロモーションをしているときだけに買うという意識が働いてしまう。 また、前述のAcquisition/Transaction Utility との関連で考えると、 獲得効用は primary reinforcer 取引効用は secondary reinforcer となる。 参考文献:Behavioral Learning Theory: Its Relevance to Marketing and Promotions (Michael L. Rothschild, William C. Gaidis) 4. Elaboration Likelihood Model プロモーションのシグナリング効果を、顧客層別に説明している。 ・Low Need-For-Cognition Individuals (認知欲求が低い顧客層) 実際にディスカウントがかかっていなくても、プロモーションのシグナルそのもの(例: ”特価セール”などの見出し広告など)に反応しやすいタイプ。こういった客は、プロモーションが発するメッセージを、商品の購買決定の簡易的な手段として利用する。 ・High Need-For-Cognition Individuals (認知欲求が高い顧客層) Deal proneなセグメントで、実際にディスカウントがかかったときにのみ、購買のインセンティブが働くタイプ。よって、彼らが商品をswitchするには、正当な理由が必要となる。プロモーションのシグナルだけではなかなか動こうとしない。 参考文献:Promotion Signal: Proxy for a price cut? (J. Jeffrey Inman, Leigh McAlister, Wayne D. Hoyer) #
by keipa55
| 2007-04-20 23:59
| MBAの授業
今日、学校からバスで帰宅すると、上の娘が面白いものを作ったから早く見てというので、
目隠しをされて部屋に案内されると、こんなものを見せてくれた。 ![]() ![]() 今にも動き出しそうな雰囲気と、かなりの完成度に驚いて、ついつい写真撮影。 材料は、 ハンドル = トイレットペーパーの芯 タイヤ = クッキー(前輪)と粉末コーヒー(後輪)の空き缶 椅子 = ヨーグルトの容器 ペダル = レーズンが入った紙パック 後ろの荷台 = クラッカーの箱 のようです。 ただ、上の材料から、我が家の朝食メニューがバレてしまいそうで、ややお恥ずかしい内容ではあります。(笑) 娘曰く、ヒントになったのは、「たろうのおでかけ」(絵本ナビ)という絵本に出てきた、バイクのようであります。 #
by keipa55
| 2007-04-19 23:59
| 育児、子育て
Sales PromotionがBrand loyaltyとRepeat ratesに及ぼす影響
前学期のDatabase marketingの授業がなかなか面白かったので、同じNeslin教授が教えているSales Promotionという授業を今学期取ってみた。 内容としては、Sales Promotionの種類、デザインの仕方、効果の測定、消費者心理やブランドとの関係、価格競争の対応の仕方などを学んでいくもの。1クラス7名のセミナー形式で、毎週アカデミックな論文を読み、担当の生徒が内容の発表とその後のディスカッションを進行していくという、ビジネススクールにしては珍しいスタイルを取っている。 さて、初回のテーマは、Sales PromotionがBrand loyaltyとRepeat率に及ぼす影響について。授業で扱った論文のタイトルは、"Impact of Deals and Deal Retraction on Brand Switching”。 クラスでは、ベースとなる概念として、自己知覚理論(Self-Perception Theory)の話が出てきたので、まずはその説明から。この理論をセールスプロモーションに当てはめて考えると、 ・消費者は、自分の取った購買行動から、自身の態度を知覚しようとする ・消費者の購買意欲は、内発的動機(この商品が好きだから買った)と外発的動機(人から勧められたから買った)によって、形成される ・セールスプロモーションが作り出すのは、外発的動機 =>内発的動機が目立ちにくくなる =>ブランドに対する意識が低くなる =>購買のリピート率(Brand loyalty)が下がる ということになる。つまり、過度にSales Promotionを行うと、消費者は商品の購買理由を、ブランドに対する好みではなく、プロモーションの誘因に帰属させてしまうことになりかねない。そこで、企業としては、Brand loyaltyのコントロールを、値下げの範囲と消費者の利用努力(プロモーションのメリットを消費者が獲得するまでの努力)の2つの軸で考えていく必要がある。 Neslin教授は、この考え方を次の表で説明してくれた。 ![]() この表によると、Brand loyaltyは、値下げ幅が少なく、かつ消費者の利用努力が大きい場合に影響を受けにくい、いうことになる。つまり、値下げ幅が小さければ、消費者は、商品を買う理由を、プロモーションという外的要因に帰属させることは減り、Brand loyaltyが損なわれる可能性も低い。 (逆に言えば、商品の半額セールなどを大々的に行うと、消費者は購買の理由を、商品が好きだからという内的要因ではなく、半額セールという外的要因に帰属させてしまう) 一方、消費者の利用努力についてはどうか。これは、消費者がプロモーションの利用するための努力が大きいほど良いとされる。一例としては、商品に付けたパッケージ・クーポンで、クーポンを利用するには、当然その商品をお店で探さないといけない。よって、購入する理由に、その商品に対する好意的態度が生まれることになる。逆に、あまり良くない例としては、店舗の入口などで行う大規模なディスプレイ広告などがある。これは、商品を探す努力をほとんど必要としないので、消費者がBrand loyaltyを強く意識して商品を購入する機会が減ってしまう。 続いて、プロモーションが消費者のRepeat率とBrand switchingに与える影響として、食料品(マーガリン)を使った過去の調査研究の解説があった。以下は、その骨子。 ![]() この結果が示唆することは、Sales promotionは、競合製品から客をbrand switchさせる強い働きがある一方、その実施の仕方によって、自社のbrand loyaltyを弱める可能性がある、ということ。また、Repeat率に関しては、消費者の利用努力が高いSales Promotionを実施する方が、プロモーション終了後のRepeat率に良い結果をもたらせている。 また、授業の最後には、Sales promotionが消費者のブランド意識を下げることのないようにするにはどうすれば良いかという議題で、皆でディスカッションをした。以下はDiscussionから出てきたTakeaways。 ・新しい商品に対して、最初からディスカウントでプロモーションするのは避ける => 最も、初回購入時の消費者のリスクを緩和したり、需要を刺激する意味で、ディスカウントが有効に機能するという反対意見もある ・価格に頼らない、非価格プロモーションを実施する(エンド陳列やサンプリングなど) ・商品の利用シーンを想定した、Usage promotionsを行う ・内発的動機を促すような広告デザインを考える。かつ、広告を購入シーンで(Point of purchase)で利用する => この話が出たとき、先生は待ってました~と言わんばかりに、Dunkin' Donutsのクーポン広告を見せてくれた。キャッチコピーは、TemptationとRedemptionで、なかなかいい広告だった。 ・質の良い商品を提供する また、ディスカッション中に、NTTドコモが始めたToruca サービス(クーポン券を携帯に取り込んだり、取込んだクーポンをほかの人と交換できる)のことが頭に浮かんだので、このサービスは、(サービスを提供する)店舗のbrand loyaltyにどのような影響を及ぼすか、質問をぶつけてみた。客が友人にクーポンを携帯で送ることで、Acquisition costsを下げる効果はあっても、クーポンの利便性が高まって、消費者の利用努力は下がるかもしれない、よって、ここは検証が必要でしょう、というのがNeslin教授の反応。 最後に、授業全体を通して感じたこと。アメリカはSales promotionやブランドに関する研究が心理学の領域にまで踏み込んで行われており、その点は日本より進んでいるのかもしれないが、上のTakeawaysに挙げた「質の良い商品を提供する」努力に関しては、この国は日本に遅れているのではないかという気がした。Sales promotionと質の良い商品を作ることを天秤にかけたとしたら、この国では果たしてどちらに傾くのだろうか。実際にこちらでテレビ番組を視たり、スーパーに出かけたりすると、過度なpromotionの影響なのか、商品の質が良く分からなかったりすることがある。質の良い商品を作る努力を怠って、Sales promotionで一発逆転を狙うような企業は、瞬間的に売上げが伸びても、きっと長続きはしないだろう。 それにしても、この授業、Academicな論文がたくさん出てくるので、読解力とスピードが問われる。MBA受験時代の、GMAT英語を思い出してしまった。。。 参考文献: “Impact of Deals and Deal Retraction on Brand Switching” Joe A. Dodson; Alice M. Tybout; Brian Sternthal, Journal of Marketing Research #
by keipa55
| 2007-04-05 23:59
| MBAの授業
![]() 長い冬が終わり、ようやく春が来た。 そして、ビジネススクール最後の学期となるSpring Termが始まった。残すところ、あと10週間。 最後の学期だけに、たくさん授業を取ってみたい。今受講(もしくはAudit)しているのは以下の5つのクラス。 Pricing Strategy and Tactics Pricingに特化した授業で、担当はインド出身のPraveen Kopalle教授。Micro economics, Game theoryなどの概念と Statisticsを使いながら、最適なPricing方法を学んでいく。消費者の心理的側面やブランドも絡んでくるので、Sales Promotionの授業とのシナジーにも期待したいところ。 ゲストスピーカーには、大手ソフト会社のSAPとOracleから、Chief Scientific Officerを招聘して、プライシングの話が聞ける予定らしいので、こちらも期待。 ちなみに、Kopalle教授の最近の研究テーマは、「インドのカルマ思想(自分の成した行為は必ず自分に返ってくるという因果の法則)が消費者購買意欲に及ぼす影響」だそうで、これまた興味深い内容。 シラバスはこちら Sales Promotion 冬学期のDatabase Marketingの授業でお世話になったNeslin教授が担当。Sales Promotionの種類、デザインの仕方、効果の測定、消費者心理やブランドとの関係、価格競争の対処法などを学んでいく。授業はセミナー形式を取っており、人数も8名ほどの限定クラス。内容はともかく、Neslin教授は、一見どうでもいいコネタを披露するのが好きでたまらない、茶目っ気たっぷりの先生である。僕がTuckで大好きな教授の一人。 シラバスはこちら Structuring Mergers and Acquisitions スイス出身のThorburn教授が担当。扱うトピックとしては、企業価値評価、M&Aの会計と税務、Post Merger Integration(M&A後の統合実務)、Bidding strategies、defensive tacticsなど。割とメカニカルな内容だった前学期のCorporate Valuationに比べて、より実務に突っ込んだ形なのが特徴。 シラバスはこちら Management of Service Operations サービス産業のイノベーションの可能性をオペレーション的観点から探るクラス。1年のコアで習ったShumsky教授が担当。初日の授業では、「待ち時間を減らす手段として、Resource Poolingは有効だが、VisibilityやSpecializationが犠牲になる場合がある。トヨタもResource Poolingは完全にはやっていない」という話が出た。Extendという名前の専用ソフトウエアを使って、シミュレーションもたくさんやる。 シラバスはこちら Applications of Optimization スケジューリング問題、サプライ・チェーン、コスト配分問題などを扱った、最適化モデリングの上級クラス。Kenneth Baker教授が担当。モデリング技術とそのスピードに磨きをかけるとともに、経営的視点からの分析力をさらに高めたい。 シラバスはこちら さて、残り10週間。 最後だから、のんびり過ごしたい気持ちもある。 でも、適度な強制力がないと、怠ける体質なので、敢えて忙しいクラス編成にしてみた。 最後まで集中力を持続させ、そして、忙しさがピークに達した時点で、開放感いっぱいで卒業を迎えられるような、そんな最後の学期としてみたい。 #
by keipa55
| 2007-04-04 23:59
| MBAの授業
うちの子供が好きな絵本「Angelina Ballerina」(Katharine Holabird 作)の中で、とてもいい詩があったので、日記を書いてみた。
その詩は、夢を達成するまでの過程を、次のように簡潔に詠っている。 “Big Dreams“ Big dreams start inside, -- Big dreams take courage, ---- Big dreams involve effort, ------ Big dreams include mistakes, -------- Big dreams build character, ---------- Big dreams are achievable!! 印象に残ったのは、最初と最後の方に出てくる、 Big dreams start inside Big dreams build character の2つの文。最初の文は人間のイマジネーションを、次の文は人格主義を、それぞれ詠っていると思った。 Big dreams start inside 人は、何らかの夢を持って生きている。それは大人も子供も同じはずだ。ただ、子供の方が、彼らが持つ柔軟なイマジネーションによって、大人が見えなくなってしまった世界を夢見ているのではないか、と思うことがある。 だとすれば、人はものの見方を変えることで、見えてくる世界も変わってくるのではないか。 では、どうすればものの見方を変えられるのか。それは、自由なイマジネーションの空間で、思い切って心の旅に出かけてみる(= start inside)ことだと思う。そして、その旅の中で、自己の内なる声を聴き、見えない姿を視てみる。そうすることで、本来の自分らしさに気づき、これまでの世界も新たな広がりと輝きを持ってきっと見えてくるはず。 Big dreams build character この一文も気に入った。ちなみに、この文の前には、夢を実現していく条件として、勇気・努力・失敗(謙虚)などの言葉が登場してくる。この文は、こういった原理原則を体得し、学んだことを意味づけ、それらを自身の人格に内面化させていくことがその人のあり方を作るといった、フランクリン・コビー(思想家)が唱える人格主義に通じるところがある。 その人のあり方が形成されると、そこから行動が生まれ、やがて成果に結びついていく。最後の文のAchievableにはそんな意味が含まれているのであろう。 == 絵本を読んでいると、ときどきいい詩やお話に出会うことがある。中には、昔、親に読んでもらった絵本に出てきた、懐かしい話だったりすることもある。読み継がれている本には、それなりの理由があるのでしょう。 #
by keipa55
| 2007-03-29 23:59
| 育児、子育て
今日、子供達と公園で遊んでいるときに、娘からある英語表現を教わった。
長女がジャングルジムに登っていたときのこと。今までよじ登ることが出来なかったコースを、今日は1人で登ることができた。すると、ジャングルジムの上ではしゃぎながら、 “I was brave! “ という表現を本人が使った。なるほど、英語ではこんな表現をするのか、と我ながら驚いてしまった。念のため、「今の英語、どういう意味?」って聞いたら、 “「緊張せずに登れたよ」ってことだよ” と教えてくれた。 日本語の思考回路では、あの状況で、“I was brave!” という表現はまず出てこない。直訳すれば ”オレは勇敢だァー!” ってことになるんだが、そんなこと言おうものなら、周りから ”あんた、誰?” って、ツッコミを入れられると思って遠慮するのが、謙虚な日本人の心ではないか。 それはそれとして、一般的に英語の口語表現はストレートでシンプルだ。そして、この表現のストレートさが、何かにチャレンジするときの子供の態度にポジティブな影響を与えている気がする。 子供は呑み込みが早い、ということも実感した。長女が” I was brave!”と叫んだことに感化された次女は、別のコースを使って登ることが出来た。すると次女も、” ブレイぶぅー!” と同じ表現を口にしたのである。 この他、長女からは、好き嫌いなく残さず食べるという意味で使う” brave eater”という表現も教えてもらった。この意味を日本語で考えると、生きたミミズでも食べる猛者、といったような、かなり強いニュアンスを含むように感じるが、そうではないらしい。Brave eaterの表現は、娘が通うkinder gardenで、各国の手料理を食べるイベントがあったときに、好き嫌いなく食べることを地元の子供達がそう呼んだことから覚えた、と後で娘から聞いた。 英語環境で育ちつつある娘達が将来どのように育っていくのか、興味深いところである。ただ自宅では、まず何よりもきちんとした日本語を学ばせたい。というのも、最近自宅の書斎で勉強していると、「パパは今、busy(忙しい)?」と聞かれることが増えてきたからだ。とはいえ、子供と同じ目線で物事を考えていくことの良さも一方であるのではないかと。普段は親として育てる立場にある自分を、ときには子供と対等な関係に持っていくことで、僕自身が新鮮な感覚を保ちながら、子供達からいろいろと教わることができるのではないかと思うのである。 最後にひとこと。 子供達には当然のこととして、関西のボケとツッコミの文化、それから吉本新喜劇のギャグを、兵庫出身の妻からちゃーんと学び取ってもらいたい。 吉本もアメリカに進出しとるしね。 #
by keipa55
| 2007-03-24 23:59
| 育児、子育て
Database Marketingの利用度合と利益率の関係
授業で先生がなかなか興味深いグラフを説明していたので、今日はその話でも。 ポイントをいうと、どの企業もDatabase marketingをやりすぎると、業界全体の利益が下がってしまう、ということである。企業がDatabase marketingを駆使することがアドバンテージであること自体は否定しないが、要はそのレベル感と、競合相手の動きが重要になってくる。 以下、その説明として、Neslin教授が愛情たっぷりに解説してくれたグラフ。 ![]() X軸がExtent of individual customer knowledgeで、顧客1人1人の情報を企業はどれだけ把握しているを指す。Y軸はIndustry profits。 グラフを抽象化すると、鈴のような形となる。グラフの左端(None)は、顧客1人1人の情報を企業は知らない状況を意味し、これは言ってみればMass Marketingの世界である。Mass Marketingでは、一般的に利益率は低いとされる。理由は、企業は顧客1人1人のデータを持ってなく、Database marketingを実践できないからである。 一方で、グラフの右端(All customers)はどうか。これは、全ての企業が顧客1人1人の属性を把握している状況である。自社の顧客だけでなく、競合他社の顧客も含めてである。この世界では、どの企業も、各々の顧客をピンポイントにターゲットすることができ、その顧客にリーチするメッセージもほぼ同じである。例えば、どの本屋さんも、僕にローマ帝国の歴史(仮定)に関する本をクロス・セルしたいとする。これは、このトピックに関する本を僕が過去購入した(例.「 ローマ人の物語」)ことを、全ての本屋さんが知っているはずだからである。すると、どういうことが起きるか。僕のところには、いろんな本屋さんから、ローマ帝国に関する本のプロモメールがどんどん届くようになり、僕はその中から、条件のいい本屋さんを選ぶことになる。そして、価格が安い先を選ぶ。いいかえると、全顧客を知っている状況(グラフの右端)では、企業は極端なPrice competitionに陥り、利益が下がってしまうのである。 では、グラフの真ん中(Our) はどうか。ここは、企業は自社の顧客について良く知っているが、競合他社の顧客 については知らない、そういった世界である。例えば、Amazon.comは、ネット好きでトレンドに敏感な花子さん(仮名)にリーチしてサービスを提供しようとする一方、Burns & Noble (アメリカ大手の書店。店内には椅子やソファー、コーヒーショップなどがあり、落ち着いて本選びができる※)は、じっくりと中身を見て本選びをしたい哲生さん(仮名)にリーチしてサービスする、といった具合である。従って、Amazon.comとBurns & Noblesは直接競合することがなく、よって、高いレンジでプライスも維持しやすく、儲けが期待できる、ということである。 ※Burns & Noblesは既にネットで本を販売するようになってきているので、対照的な例ではないかもしれない。 Neslin教授の話では、このグラフが意味することを、多くの企業(特に顧客リストを販売するような企業)はあまり認識していない、ということであった。「こういった企業がやろうとしているのは、業界をますますグラフの右側に向わせ、利益率を下げ、Ultra database marketing competitionに陥らせているだけだ!」 - これがNeslin教授の見方である。 先生の言わんとしていることは、自社の顧客を如何に囲い込むかということでもあるが、これは当然、LTV最大化の話に関連してくる訳で、そういう意味でもなかなか興味深いグラフであった。最も、LTVについては、LTVが高ければ企業は安泰かというとそうでもない、なぜなら高い LTV は顧客のbrand loyalty が高いという説明には必ずしもならないから、というおまけ話もあって、マーケティングの奥深さの分かる授業であった。 #
by keipa55
| 2007-03-23 23:59
| MBAの授業
去年、僕と同じSachem Villageに住み、家族ともどもお世話になったMさんが約1年ぶりにHanoverを訪れた。Mさんは、IBMの元ソフトウエアエンジニアで、Dartmouth CollegeでComputer Scienceの博士号を取得後、現在、イリノイ大学のComputer Science学科でポスドクをされている。
リサーチ目的で3日ほどHanoverに滞在予定のMさんであるが、その合間を縫って、家族と生活を共にしたSachemの旧宅をもう一度見て帰りたい、あいにく家族は連れてこれなかったが、写真だけでも取ってイリノイにいる家族に見せてあげたい、との要望もあり、車でSachemの集落を案内した。 老朽化が進みつつあるSachemでは去年から新築工事が始まり、今年から新しい家屋への入居が始まっている。Mさんの過ごされたSachemの旧宅はまだ残っており、5年間ほど過ごした元自宅を感慨深げに見つめながら、「ここで家族と過ごしていた頃は、本当に楽しかったですね。今住んでいる自宅の近くは広いコーン畑で、随分と環境が変わりました。」と当時を懐かしんでいた。 その後、我が家で1時間ほどお茶をしながら、イリノイでの生活や、ご家族のお話、子供の教育、大学での研究のことなどをMさんは話してくれた。イリノイ大学のコンピュータサイエンス学科といえば、ブラウザの草分け的存在であるMosaicの開発を始め、Youtube、Paypal、Oracle、ロータスなどの創業メンバーを輩出したことで知られているが、起業家精神に富んだ学生が大学に多くいるだけでなく、教鞭をとりながらこっそりと会社を立ち上げた結果、その会社が成功して、嬉しい悲鳴を上げている教授もいるといった談話も聞いた。 僕はMさんとバックグラウンドが近いので、最近、大学で研究している、セキュリティ技術の話を伺った。Mさんは、世界中に散らばったデータベースを仮想的に繋げて動くルールベース型の認証技術を研究・開発しており、人工知能のアルゴリズムやベイズ理論を駆使しているそうだ。現在携わっているプロジェクトとしては、電力業界における、災害時の認証の仕組みなどがあるといっていた。プロジェクトのきっかけは、数年前にアメリカで起きた大停電の教訓からだとのこと。Mさんの説明によれば、平常時は競争の激しい電力会社はお互いに情報共有しないが、停電のような危機が迫ったときに限って、企業間の情報共有によって効率的な電力供給を図るといった、業界レベルで信頼関係を構築する動きが米国では出始めている、そのためには分散した企業データベース間での認証技術が必要となってくる、とのことだった。具体的に言うと、危機発生時にセキュリティレベルを下げては当然まずいので、セキュリティでブロックされた相手に直接情報を取りにいくのではなく、その相手が普段やりとりしている(アクセス可能な)もう一人の相手がその相手とやりとりしている内容をルール化することで、ブロックされた相手が持っている情報を推論し、最終的に企業間全体の情報を編成していくそうだ。また、その推論のロジックはリバースエンジニリングで第3者にハッキングされないように、複雑な関数で堅牢に守られているとの説明だった。 Mさんが関心を持つ分野は、時代とともに変わってきている、という話も聞いた。今でこそ専門はセキュリティ技術の分野だが、昔は画像の解析技術や、クラ・サバ時代のエージェント処理などで実績を残し、特許も保有している。が、テクノロジーの分野は時代の変化が激しく、過去の成果だけではメシは食っていけない、だから常に走り続けなければならない、でもそこがチャレンジングで面白いところだ、ということも語っていた。久々に共感した言葉だった。というのも、最近、次のような思いがするからである。ビジネススクールに来て1年半近くも経つと、例えばいろいろと分析力が身に付く反面、昔は大胆に選択していたであろうリスクのある道を、今は皮肉にもその分析力によって躊躇うかのような思考がどこかで働いてしまい、単純な損得だけでは説明できない人生のロマンというものを、自分は忘れかけているのではないかと。Mさんが情熱を持って語る姿に、自分が忘れかけていた大切なものを見たような気がした。 Mさんからはこのほかにもいろんな話を聞いた。米国のコンピュータサイエンス学科では、中国出身の教授達が今もの凄い勢いで、力をつけつつある。(データマイニングの分野では、Jiawei Han教授とKevin Chang教授の研究活動が業界で注目されているらしい)ベイズ理論の応用研究は、これからもまだまだ続く。自動翻訳技術もまだまだこれから。Googleがコンピュータサイエンスの博士号取得者を世界レベルで採用し続けており、大学からの引抜きが耐えない、など。 そうこうするうちに夕方になったので、Mさんを大学まで送って、お別れの挨拶をした。久々の再会で、大きなエネルギーをもらった。 #
by keipa55
| 2007-03-22 23:59
| アメリカ生活
今日は午前中で長女のKinder gardenが終わったので、学校に迎えに行ったその足で、Dartmouth Skiwayへ行った。
20分ほどでスキー場に到着。 ゲレンデに誰もいないので、「やばい、今日は休みか」と一瞬思ったが、リフトがゆっくりと動いているのが見えたので、ほっとひと安心。 入場料を払い、着替えを済ませて、いざゲレンデへ。 外は快晴で、絶好のスキー日和。青い空と白い雪のコントラストが美しく、また空気も澄み、気持ち良い滑りが出来た。 長女は、スキー場に来ていた1年生Tさんの娘さんと一緒にスキーを楽しんだ。2人はDartmouth Skiwayの上級コースであるMBAコース(スキー場のコース名)をチャレンジし、見事滑り降りてきたものだから、大したものだ。僕は、当コースの起伏を使ってちょっとしたトリックを試したが、勢い余ってコースアウトしそうになった。卒業を控えて、MBAコースでコースアウト(ドロップアウト?)なんかしたら、縁起でもない。 それから、子供とリフトに乗って頂上に向う際、60過ぎと思われる夫婦が、ゲレンデを颯爽と滑り降りていくシーンを見かけた。その夫婦は、ゲレンデの端で止まると、お互い笑いながら、何か話し合っている。きっと話題は、今日の晩御飯のメニューか。こんなセクシーな老後の人生を、僕もいずれ過ごしてみたいものだ。 青い空と白い雪に見とれながら、ただひたすらスキーを楽しんだ午後であった。 ![]() #
by keipa55
| 2007-03-21 23:59
| アメリカ生活
Lift Table
今日はリフトテーブルの話。 予測モデルには一般的なRegressionを始めとして、RFM Crosstabs、Logistic Regression、Decision Trees、Neural Nets、Multinominal Logitなど様々あるが、どのモデルを選択するにせよ、その精度を評価して、最終的なマーケティングの意思決定につなげていかなければならない。その意思決定を支援してくれるのが、Lift Tableという概念である。 Liftの定義は、あるセグメントの顧客グループが取りうる値(予測モデルが算出するResponse rateや解約率など)を全顧客の平均値で割ったもの。 例 ある事業の顧客数が全部でn万人。客のレスポンスレートを元に、ターゲットを絞って、プロモーションをしたい。どのセグメントにターゲットを絞ったら良いか? 手順 1. 予測モデルが算出する想定レスポンスレート使って、全顧客をスコアリングする 2. 顧客をいくつかのセグメントに割り振る 3. リフトを計算して、リフトテーブルを作る 1-3までの作業は、ModelMaxやSPSSなどの統計ソフトがやってくれる。なお、セグメントの数は自分で設定しないといけないが、コツとしては、先頭セグメントのLift値ができるだけ大きくなるように、試行錯誤で選んでいく。(10や20で始めるのが一般的とされる) 4. セグメントの評価と選択 Liftテーブルのグラフを以下添付 ![]() まず、前提として、この問題における損益分岐点のレスポンスレートが8%だとする。また、セグメントを選択するか否かの目安として、縦軸の0.08の位置から横に点線を引いておく。 リフトテーブルを元に、プロモーションを行うセグメントを選んでいくことになるが、これは自社のマーケティング戦略によって、対応が変わってくる。具体的には、以下の2つのErrorのうち自社がどちらを重視するかを念頭に置きながら、好ましいセグメントを選んでいく。 ![]() 上のグラフで言えば、左端1と2のセグメント(図で言うDecile)は、信頼区間を取ると、その下限が損益分岐点を優に上回っている。よって、Type 1の企業もType 2の企業も、このセグメントを選ぶのは普通とされる。 では、3と4のセグメントはどうか。これは損益分岐点をぎりぎり上回っているが、信頼区間の下限を取ると損益分岐点を下回ってしまう。よって、Type 1の企業なら、このセグメントは殆ど選択しないが、Type 2の企業であれば選択するのが普通とされる。 次にセグメント5と6について。これは損益分岐点をやや下回っている。Type 1の企業なら、このセグメントは絶対選択しない。Type2の企業は選択してもおかしくはない。 最後にセグメント7について。これはノイズと考えられなくもないし、損益分岐点をやや上回っている程度なので、Type 1の企業はこのセグメントを選択しない。Type 2の企業は、これはノイズではなく、意味ある数字として捉えるかもしれない。極端に言えば、Type 2の企業は、この予測モデルの結果をあまり信用していない、といえなくもない。Type 2 errorを気にするのであれば、このセグメントも選択してもおかしくはない。 以上がLift Tableの使い方であるが、ご覧の通り、マーケティングにおける最終的な意思決定は自社の戦略に基づくJudgment callによるところが多分にある。現場でのマーケティングの経験と勘、そしてセンスが要求されるところでもある。言うなれば、マーケティングはサイエンスであると同時にアートでもある。 という趣旨のことを、LL Bean(アメリカを代表する、アウトドア専門のアパレルメーカー。本社はニューハンプシャー州隣のメーン州。ロブスターがうまい)のマーケティング部長がこの授業のゲストスピーカーでプレゼンしたときに話していた。最も、かなり洗練された予測モデルをこの企業は駆使しており、定量分析の結果が意思決定の判断材料のひとつとなっていることは言うまでもない。さらに僕らが授業で教わった内容が、CRM分野でトップクラスの企業でほぼそのまま使われていることを知り、とても実感が沸いた。 #
by keipa55
| 2007-03-20 23:59
| MBAの授業
List selection
今日はリスト選択の話。例として、次のような状況を考えてみる。 ある商品を、ダイレクトメールを使って一般消費者にプロモーションしたい。ダイレクトメールの発送は、専門業者が提供する委託サービスを利用する。(専門業者は主に購読媒体別に顧客リストを販売している。例えば、金融商品なら○○Financial Newsの購読者リスト、旅行関連なら○○Outdoor Magazineの購読者リストなど) この場合、業者が提供するどの種類のリストを選択すると、効果的なプロモーションを期待できるか? <与えられた情報> ・過去行った、自社のプロモーション結果 (ダイレクトメールの名称・種類、顧客リストの価格、リスト登録者数、郵送したメール総数、郵送コスト、客のレスポンスレート) ・プロモーションで検討中のリスト(過去のプロモーションがイマイチだったので、過去の顧客リストは利用せず、新しいリストを業者から購入してメール発送するという前提) (ダイレクトメールの名称・種類、顧客リストの価格、リスト登録者数、顧客1人辺りの平均購買価格) <リスト選択の手法> 以下、顧客リストの評価、選択の手法をいくつか説明。 ・Test the list 実際に顧客リストを使ってテストしてみましょう、というのがこれ。テストを行うのに有利な条件とは、 - 将来、大きな利益が見込める - 時間的な余裕がある - テストにかかる固定費が少ない - 従来のマーケティング政策が通用しない などがある。 今回のような場合、レスポンスレートが妥当かどうかを判断するのに、サンプル数をある程度大きく取らないといけないのがDownsideではあるが、テストからLearningが得られればUpsideである。ただ、仮にLearningが得られたとしても、ターゲット顧客以外にもテストを行ってしまうことで発生する、mistargeting costsにも注意が必要。基本的な戦略としては、テストで発生するmistargeting costsはお勉強代として考え、LearningをFull rolloutで発生するmistargeting costsを最小限に留めるように活かしていくこと。 また、テストパターンの組合わせを効率的に作り出す手法として、直行法がある。ただ、直行法は属性間のInteractionを考慮しないことがあるので、注意が必要。 ・Calculate breakeven response 候補先リストについて、損益分岐点を満たすレスポンスレートを計算してみる。リストがProfitableかどうかの目安にはなるが、リスト間の優先順位付けまではしにくい。 ・Calculate anticipated profit LTVを使ってリストの期待利益を計算し、それで比較してみましょう、というのがこれ。そのためには、候補先リストのレスポンスレートの予測が必要となってくる。以下がそのやり方。 - Judgment-based predictive model 購読料の高い雑誌の購読者は、レスポンスレートが高いだろうという仮定の下、過去のプロモーション結果から、候補先リストのレスポンスレートを予測 - Quantitative predictive model 授業でNeslin教授がやや自慢げに、でも愛情たっぷりに解説してくれたのがこれ。レスポンスレートとMerge/Purge Rate(リストの利用で発生する名寄せ作業のこと)には相関があり、またMerge/Purge Rateとリストの購買価格には相関があることが回帰分析の結果※分かったので、まずMerge/Purge rateをリストの購買価格の目的関数として予測し、その結果得られた想定Merge/Purge Rateを使って、レスポンスレートを予測するというもの。(以下グラフ) ![]() ※授業では、名寄せしたリストほど、無駄な情報(リスト削除希望者や支払滞納者なども含む)が減るので、レスポンスレートは高くなりやすい、また、名寄せが多いほど、重複する情報の除去作業が増えるので、そのリストの価格は高くなりやすい、という説明だった。 <リスト業者について> 授業では、実際にNextmarkという顧客リスト販売会社が提供する検索エンジンを使って、自分達でも他にどんなリストが有効か探すことにした。なお、NextmarkはHanoverにある会社で、クラスではCEOによるプレゼンもあった。ビジネスモデルとしては、顧客リストの所有者、プロモをしたい企業、リストのブローカーの3者を仲介し、顧客リスト販売の手数料やコンサルティング事業などで成り立っている。 検索エンジンを利用した感想としては、リストを使うにあたって、過去そのリストを利用したユーザーからのフィードバックや購入した回数が見れると、リストを使う妥当性の判断がしやすくなるので、なお良いかと。それから、Nextmarkは営業支援ツール大手のSalesforce.comと提携して、当ツールとの連動機能が搭載されているようだ。今後の動きが楽しみではある。 最後に、授業のTakeawayとしては、Incorporate judgment and numbers。マーケティングの意思決定でチャレジングなところは、分析で得られた数字をどのように解釈し、適切な判断を加えていくかということ。そのためにも、numbersとjudgmentは最初は分けて考えた方が良い。 #
by keipa55
| 2007-03-19 23:59
| MBAの授業
ニューヨーク滞在4日目。今日が最終日。
朝、ホテルを出発し、昨日行けなかったエンパイアステートビルへ向かう。キタノホテルから10分ほど歩いて到着。 少し早く到着したおかげで、一番乗りで頂上からの360度パノラマービューを楽しむことが出来た。天気にも恵まれ、外は快晴。眼下の摩天楼を眺めていると、何だかニューヨークの上空を散歩しているようで、とても気持ちがいい。 展望台の売店を見て回る。ペニー硬貨を磨り潰して記念コインを作ってくれる機械があったので、子供達はぐりぐりとハンドルを回して、綺麗に彫刻された楕円形の記念コインを手にして喜ぶ。 エンパイアステートビルを楽しんだ後、妻と子供達はチェックアウトのためホテルに戻り、僕はホテルの近くに駐車した車をとりに行った。ホテルの駐車場は、24時間で$50も取られるので、今回は、安いインドアの駐車場に車を止めていた。 チェックアウトを済ませ、荷物を車に載せて、マンハッタンを出発。次の目的地は、マンハッタン対岸のニュージャージーにある、日本のスーパー Mitsuwa。日本の食材をここでたっぷり買って帰るためである。 15分ほどで到着。まあ何とも品揃えが素晴らしい。特に魚が充実している。あと、店内には、ラーメン屋やとんかつ屋、本屋、しかもコンサージュサービス(日本に送る荷物の手配など)もあった。(サマーインターンでは、サンノゼにあるMitsuwaに何度もお世話になったが、ここニュージャージー店の方が断然広い) Mitsuwaの近くには、日本の高校・大学受験向けの塾もあって、「新年度 入学生募集!」の看板がかかっていた。 ここにいると、まるで日本にいるような感覚がしてくる。カフェテリアにあるテレビでは、日本の教育番組がやっている。本屋では、日本のマンガも雑誌も手にはいる。Mitsuwaの和菓子コーナーでは店員が客におじぎをして、丁寧に対応をしている。海外で、日本の情報や文化にいつも触れられる環境があるのは、生活をするうえでとても便利である。 また、やや話が飛ぶが、今、情報化の進展で、世界がフラット化し、アウトソーシングなどで経済格差を縮小しようとする動きがあるが、日本のサービス業が完全にフラット化するのは、なかなか難しいのではないかと思った。日本語という強い障壁が存在することと、要求するサービスレベルに違いがあるからだ。例えば、日本人が期待する食に対する安全性や繊細な感覚を現地の人に理解してもらった上で、低コストで板前の仕事をお願いするのは、なかなか難しい話であろう。まあ、フラット化という現象自体は、企業のビジネスモデルや個人の働き方、さらには国家のシステムを考える上で、興味深い内容ではあるが。 お昼は、Mitsuwaのカフェテリアでおそばを頂く。 帰路は、ニュージャージーからGeorge Washington Bridgeを渡り、4日ほど滞在したマンハッタンを眺めながら、ほぼ往路と同じコースを使って、夕方、無事ニューハンプシャーの自宅へ戻った。 帰宅するや否や、うんちを我慢していた3歳の次女がトイレで踏ん張っている。そして暫くすると、一言 「あー、満足、満足」 といって、おしりを拭いてねと僕を呼んでいる。 親としては、旅行に満足してくれたかどうかの方が気になるんだが。 以上、終わり。 ![]() #
by keipa55
| 2007-03-18 23:59
| アメリカ生活
3日目。
午前中はリバティ島にある自由の女神を見学。昨日から降った雪のせいもあって、外は肌寒い。フェリーに乗り、しばらくすると自由の女神像が見えてくる。子供達はもの珍しそうにじっと眺めている。 リバティ島で1時間ほど過ごす。海岸沿いを歩きながら、対岸のマンハッタンを臨む。あいにくの曇り空で、摩天楼がくすんでみえる。ただ、はっきりと分かったのは、10年前の学生時代、ここから見えた世界貿易センタービルは既に存在しないことだ。本当に、本当に、9.11のようなテロは二度と起こって欲しくない。憎しみが憎しみを生み、暴力が暴力を生むこの現実世界。この負の連鎖を断ち切るような、大きな光の輪のようなものを、僕らはどうしたら作りだせるのだろうか。子供達が大きくなったら、歴史の教訓や愛というものをいずれ教えてあげたいと思う。 さて、自由の女神像を眺めている。アメリカは自由な社会であるとつくづく感じる。だが、自由な社会は当然、危険が伴うもので、自由であることの責任を考えないといけない。危険な側面もあるものの、基本的に自由を享受できるのがアメリカという国。一方、日本は安全や安心を得るために、ある程度管理された社会構造になっている。当然、良い面もある。どちらが良いかは、その人の生き方や価値観によるので何とも言えないが、個人的には、多少の危険があったとしても、自由が選択できるような社会を好む。 ![]() フェリーに乗り、エリス島を通過。新天地を求めて、アメリカに渡った人々が最初に審査を受けたのがこのエリス島で、アメリカ人の約半数はこの島を通過した先祖を持つと言われる。アングロサクソン系の観光客がどっと下船し、アジア系のほとんどの客は船に残ってマンハッタンに向かおうとしていたのが対照的であった。 マンハッタンに戻り、地下鉄に乗って、聖パトリック祭のパレードを見物するため、86丁目へ向かう。ベビーカーを載せて地下鉄を乗り降りするのは結構しんどい。特に改札。日本の地下鉄の方が、充実している。 メトロポリタン美術館の前で、子供達とパレードを見物する。皆、緑を中心とした思い思いの衣装を着飾って、5番街を堂々と行進している。すっかり天気も良くなった。あと、どこかで見かけた人がいるなと思ったら、ジュリアーニ元市長が、パレードの先頭で手を振っていた。 ![]() ![]() パレードを見物した後、86丁目沿いのイタリアン・レストランで食事。 続いて、地下鉄に乗って、ロックフェラーセンターへ。すぐ近くに聖パトリック寺院があり、5番街ではパレードがまだ続いているのを横目に、おなじみのスポットであるアイススケートリンクや、紀伊国屋などを見て回る。今回の旅行では、子供達のためにスケート靴を持ってきたのだが、うっかりホテルに置いてきてしまったので、見物だけで終了。なお、アイスリンクの質は、ハノーバーのCampionやThompson Arenaの方が断然良い。という理由で子供を説得。 夕方、エンパイアステートビルを見学する予定だったが、1時間待ちだったので、あきらめてすぐ近くのコリアンタウンで食事。 3日目が終了。 #
by keipa55
| 2007-03-17 23:59
| アメリカ生活
![]() 春休み、家族とニューヨークに来た。 ニューハンプシャーからマンハッタンまで4時間ほどのドライブを楽しむ。マンハッタンでは少し渋滞にはまったものの、滞在先であるミッドタウンにあるキタノホテルに昼過ぎに到着。ここは日本人が経営するホテルで、中2階にあるジャズバーでは夜にライブ演奏が聴ける、なかなか粋なホテルである。 個人的な旅行を含めれば、ニューヨークは今回で4回目。いつ訪れても、この街の文化環境の豊かさと多様性には学ぶことが多い。西のシリコンバレーが技術で成功した街なら、東のニューヨークは金融はもとより、芸術で成功している街といってもいい。両都市に共通するのは、投資のための支援の仕組みが整備されているところでもある。 さて、初日の午後は、子供達を連れて、メトロポリタン美術館へ。2人は学校や自宅で毎日のように絵を書き、ときには食事を忘れて絵に没頭するほど、絵が大好きでたまらないのだが、メトロポリタン美術館で見た絵画や彫刻の数々は、子供達の目に新鮮に映ったようだ。特に、館内で模写している学生を、長女は興味深く見つめ、色の使い方やふで使いなどをじっと観察していた。 夜は、妻が豆腐のおいしい韓国料理屋がホテルの近くにあるというので、そこで夕食を頂く。なかなかの美味であった。 2日目。朝からみぞれ混じりの雪。 午前中はアメリカ自然史博物館を見学。ここは140年以上の歴史を誇り、人間と自然のかかわりを標本や模型を使って、とても分かりやすく紹介している。館内では、恐竜の化石や世界中の動植物の生態を展示するコーナーなどを見て回った。天井にも届きそうなティラノザウルスの化石があるコーナーでは、3歳の次女は、両手を挙げながら、「Dinosaur! It’s amazing!! 」と英語で感情表現してみせた。バイリンガルに育ちつつある子供達の姿を見て、言語の差を意識しないバイリンガルとはどのような世界なのか、いつも不思議に思う。 その後、タイムズスクウェアへ向かい、おもちゃのお店、トイザラスで遊ぶ。店内にある高さ3Fほどのどでかい観覧車に子供達と乗る。観覧車にのると、店内に飾られた目玉商品がいやおうなく視界に入ってくるという、なかなかにくい演出。それにしても、店内に観覧車を設置してしまうのは、実にアメリカらしい大胆な発想である。 夜は、ホテルの近くにある中華料理屋で食事。 夕食後、妻はタイムズスクウェアでミュージカルを観賞するため、僕は子供達を連れてひとあし先にホテルへ戻る。お風呂では浴槽たっぷりにお湯をはり、子供達はちょっとした水遊びを楽しむ。おかげで床を少し濡らしてしまったが、暫くすると、ピンポーンとベルがなり、ドアをあけたら、清掃係の人が立っている。「タオルが足りないようでしたら、交換しますが」といっている。キタノホテルには、バスルームに水漏れセンサーでもついているのか。仮にそうでなくても、清掃係の丁寧な対応ぶりを見る限り、非常に管理の行き届いたホテルである。 寝る前に、絵本の読み聞かせをする。今日は、「りすとナトキンのおはなし」。読み進めるうち、ページめくり係である子供達の反応がにぶくなってきたので、「まずい、夕食で何か消化に悪いものでも食べたのか?」と心配して顔を覗き込んだが、なんのことはない、旅の疲れでいつのまにか寝てしまっただけであった。 夜、少しだけテレビをつけてみた。すぐ近くのマジソンスクエアガーデンで行われている、NBAのニックス -ホーネッツ戦の試合が生中継されていた。でも、テレビでみると、チームカラーがブルーであるはずのニックスのジャージがどうも緑っぽい。いや、どう見ても緑。テレビの調子がおかしいのか、だったらフロントに報告しておくか、でもさすがに由緒あるキタノホテルが質の悪いテレビを客に用意することはあるまい、と思っていたら、テレビの解説者が「明日のニューヨークはパレードですね」と言ったので、ようやく意味が分かった。 明日は、アイリッシュの一大イベントである、聖パトリック祭だったのだ。 #
by keipa55
| 2007-03-16 23:59
| アメリカ生活
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