by keipa55
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これまでの授業でいろいろと面白い話が出てきたので、その要点整理です。
1. Acquisition / Transaction Utility 消費者が購買行動から得る効用は、同じ価格の商品でも、商品を購入する状況や場によって異なる、というのが主な考えで、これを式で表すと 総効用 = 獲得効用 + 取引効用 = 費用/ 便益 + バーゲンの価値 ( 参照価格 vs. 支払価格) ということになる。 また、この式から、プロモーションの存在意義を考えると、「Deal proneな(価格に敏感でバーゲン好きな)顧客に取引効用を提供すること」ということがいえる。そこで、プロモーションで取引効用を高めるには、以下のようなやり方(例)で、参照価格を高いレンジで維持していく必要がある。 ・メーカー希望小売価格と割引価格を併示する ・商品のラインナップに、Top Tierブランドを入れる ・クーポンやリベートを利用する ・POP広告を利用する ・コストがかかっていると思わせるようなプロモーションを行う ・商品のサイズを変える ・商品の改良を行う ・大幅なディスカウントをやらない ・頻繁なディスカウントをやらない ・プライベートレーベルの近くに商品を陳列しない 注意点としては、上にも書いたとおり、プロモーションを継続的に行っていると、消費者はいずれ購入価格を参照価格として捉えてしまい、結果として取引効用が下がってしまうといった弊害が出てくる。よって、「プロモーションはスマートに行うことが非常に重要」(Neslin教授)とされる。 また、これに関連して、授業では、ディスカウントストアが行っている低価格戦略(EDLP: Everyday Low Price)は、取引効用ではなく、獲得効用を狙った戦略だという話もあった。EDLPは商品のバリューを強調し、かつ価格に一貫性を持たせているからというのが主な理由。また、EDLP戦略を取る企業は、基本的にDeal Proneな顧客層をターゲットとしないことから、プロモーション費用を削減できるメリットがある。 2. Mental Accounting ・複数の利得は分離させる プロモーションは1回にまとめて行うより、何回かに分けて行う方がいい =>但し、プロモーションを何回かに分けて行うと、商品に込めたメッセージが顧客にうまく伝わらない可能性もあるので、注意が必要 ・小さい利得は大きい損失と分離させる クーポンは、大きな出費で消費者が感じる損失の感覚を和らげる効果がある Mental Accountingは前学期のManagerial Decision Makingの授業でも出てきた内容で、詳しい話は過去の日記にまとめたので、こちらをどうぞ。 参考文献:Mental Accounting and Consumer Choice (Richard Thaler) 3. Behavioral Learning Theory 「強化された行動は、持続しやすい」というのが基本的な概念で、具体的には次のようなものがある。 ・Shaping 段階的な対応によって、消費者の反応を引き出し、これによって消費者の行動を強化させていく。また、消費者の行動を強化させることで、顧客loyaltyを向上させていく。 例えば、新商品で、消費者が購入リスクを感じるような場合は、試供品やクーポンを与えることで、そのリスクを緩和させていく。その後、リピート客が出てきたら、徐々にプロモーションの量を減らしていき、最終的には強化の手段を商品の質に絞って、loyaltyを高めていく。(以下 図) Trial ----> Repeat -------> Loyalty 試供品 クーポン クーポン 商品のクオリティ 商品のクオリティ 商品のクオリティ 注意点としては、Shapingを利用しすぎないこと。利用しすぎると、消費者は、購買の理由を商品そのものではなく、プロモーションという誘因に帰属させてしまうという危険がある。 ・Extinction 強化という行為が止まると、消費者の行動も次第に弱まっていく。 ・Primary reinforcer vs. secondary reinforcer 消費者行動を強化させるには、商品の利用をPrimary reinforcerとし、プロモーションをsecondaryとする。Primaryが目的であり、secondaryはその手段である。これを間違えると、消費者はプロモーションをしているときだけに買うという意識が働いてしまう。 また、前述のAcquisition/Transaction Utility との関連で考えると、 獲得効用は primary reinforcer 取引効用は secondary reinforcer となる。 参考文献:Behavioral Learning Theory: Its Relevance to Marketing and Promotions (Michael L. Rothschild, William C. Gaidis) 4. Elaboration Likelihood Model プロモーションのシグナリング効果を、顧客層別に説明している。 ・Low Need-For-Cognition Individuals (認知欲求が低い顧客層) 実際にディスカウントがかかっていなくても、プロモーションのシグナルそのもの(例: ”特価セール”などの見出し広告など)に反応しやすいタイプ。こういった客は、プロモーションが発するメッセージを、商品の購買決定の簡易的な手段として利用する。 ・High Need-For-Cognition Individuals (認知欲求が高い顧客層) Deal proneなセグメントで、実際にディスカウントがかかったときにのみ、購買のインセンティブが働くタイプ。よって、彼らが商品をswitchするには、正当な理由が必要となる。プロモーションのシグナルだけではなかなか動こうとしない。 参考文献:Promotion Signal: Proxy for a price cut? (J. Jeffrey Inman, Leigh McAlister, Wayne D. Hoyer)
by keipa55
| 2007-04-20 23:59
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